2012年9月に竣工したO邸。北九州市の新興住宅地に建築されたお宅です。
新しい生活を始められて、約半年というO様ご夫妻を訪ねて、当時のことを振り返っていただきながら、”建築家との家づくり”についてお話を伺いました。
本日はありがとうございます。さて、Oさんがフォルツァを訪ねていらっしゃったのが2010年5月ですから、もう約3年前になるんですね。フォルツァにいらっしゃる前は家づくりに関して何から始めたのですか?
最初は土地探しからでしたね。
そうですね、いろいろと土地を見回っていたのが最初で、その後「一緒に土地を探してもらえませんか?」とフォルツァを訪ねたんですよね。あと、たまに住宅展示場に遊びついでに見に行ってましたね。
そもそもOさんがフォルツァを知ったきっかけは、Mさん(奥様の職場同僚)から紹介されて?
Mさんがフォルツァで家づくりをしているのを聞いたことがあって「いいなぁ。」と思っていて。もしMさんがフォルツァで家づくりをしていなかったら、(建築家に依頼するのは)ちょっと敷居が高いなぁと考えたでしょうけど、話を聞いていたので。その上で住宅展示場も回っていたのですが、「何かピンと来ないなぁ。」というのがあって。
展示場を回られてピンと来なかったというのは?
どの住宅メーカーもどこか良いところはあるんですけど、「何かココが違うんだよなぁ。」というのが必ずあるんですよ。「コレいらないのになぁ。」とか「ココはこうしてくれたらいいのになぁ。」とか、どこかしら一長一短あるんですよ。
住宅メーカーのモデルハウスもピンと来なくてねぇ・・・
同僚も住宅メーカーで建てているんですけど、イイところはあるんですが、「これはどうなんだろう・・・」というところもあって。
住宅メーカーも見過ぎてしまってよくわからなくなったんですよね。そこで、Mさんのおっしゃっていたフォルツァもいいなぁと思い、主人に「一度訪ねてみようよ。」と話して。
フォルツァのサポートを通じて、建築家との家づくりを進めるのに不安などはありましたか?
いや、それは無かったですよ。Mさんがそういう家づくりをされていたから。
建築家を選ぶのに“建築家コンペ”を開きましたが、コンペの感想は?
楽しかったですよ。各々の建築家さんが全然違ったプランで面白かったです。こちらの要望を叶えてくれるプランだけでなく独自の提案もあったりして、私達の考えをうまく変えてくれたり、気付かせてくれたりで、面白いなぁと思いましたね。
最終的に建築家は陶山さんに決まったのですが、その決め手というのは何だったんですか?
私は陶山さんを一番に押していて、主人は二番だったんですよ。
僕はFさんが好きだったんですよ。(笑)まぁ、家内が一番というのならそれで・・・という感じで。(笑)
奥様のご意見を尊重されたと。
そうですね。結局、一番長く家に居るのって家内ですからね。まぁ、自分の部屋(シアタールーム)が確保できるならOKだったので。(笑)
陶山さんに設計を依頼することになって、ご主人は“シアタールームとお風呂”にこだわられたようですが、奥様のこだわりの点は?
“キッチンと収納”ですね。社宅にあった荷物に加えて買い足したい物もあったので、それらが納まるかというのが問題でしたね。収納というのは最後に設計するらしいんですが、陶山さんにはそれを一番最初に設計してもらいました。「実際に荷物が収納できるのだろうか?」という私の不安を取り除いてもらってから他の部分の設計が始まりましたね。私としてはキッチンまわりと収納の設計が終わった時点で、「もう、やりきったな!」という感じでしたね。(笑)
他にこだわられた点はありますか?
物干しかな。
そうそう、物干し場所を室内から見えないように考えてもらいましたね。くつろぎたい時に洗濯物が見えてしまったらくつろげないから。
なるほどですね。ところで、お友達は新居には来られました?
みんな「うゎ~」って。(笑)廊下からリビングに入ってくる瞬間に、天井が低い廊下から高いリビングに入ってくるんで、みんなそこで「おーっ」って。(笑)
建築家との家づくりはいかがでしたか?
その時々で、今はどういう事をやっているという説明を聞けたのが良かったですね。1週間毎に現場で打合せするじゃないですか、実際作業は進んでいるんでしょうけど、僕らが見ても進んでいるのかよくわからない時があるんですよ。そういう時に陶山さんに「今週はこういう作業をしています。」と説明してもらったのが分かりやすかったですね。
決め事についても、「次はこれを決めてください。次はこれ・・・。」って急かされるわけでもなく、だいたい3週間くらい考える時間をいただいてたので、とてもありがたかったですね。住宅メーカーで建てた知人から、「次、次、次って決めることがあって大変よ。」と聞いていたので、その点は良かったですね。ペースが良くて、楽しんでやることができましたね。
家づくりで大変だったというエピソードはありますか?例えば予算が合わなくて苦労したとか・・・。
予算については私も覚悟していて、これとこれは削るだろうなって考えていたんですが、最後に見積りを出してもらったら陶山さんのプランどうりでOKでしたね。例えば、予算をオーバーしたら削ろうと思っていたダイニングテーブルや収納家具も、実際は既製品で買うのと造り付けで作ってもらうのとでは金額が大して変らなかったですね。だから、家具屋さんを見て廻る手間や、部屋に合うだろうか?なんて心配を考えると、やっぱり作ってもらってよかったですね。
ところで、今回の家づくりにおいてフォルツァのサポートはいかがでした?
全体的に助かったですね。特に銀行とのやり取りとか全然わからなかったんで。ローンの内容や手続きについて気にし始めると、設計に集中できなかったと思うんです。そういうところのサポートは非常に助かったですね。
予算や資金の事ですね。
そもそも誰に聞けばいいのか、いつまでに何をすればいいのかわからないし。
あと、設計に関する事では建築家さんと打合せをするにしても、そもそも何を聞いていいのかさえわからなかったのですが、フォルツァさんに打合せに同席してもらって「これはどうですか?ここはどうなっていますか?」と私たちの代わりに確認してもらうと、「あー、そういう問題もあるよね・・・」と気付かせてもらえたのは有難かったですね。それと完成後の検査でも、どこを見ればよいかもわからなかったけど、フォルツァさんから「ここは補修しておいてくださいね。」と陶山さんや工務店さんに言ってもらったのは助かりましたね。私たちだけでは、小さなキズが許容範囲なのか、修復しなければならないものなのか、わからなかったからですね。そういう事でも、フォルツァさんに聞いて判断してもらえたのは有難かったですね。
そうすることが第三者的な立場にあるフォルツァの役目ですからね。
建築家さんに直接頼んで家を建てる方がいるっていうのを聞いたりすると、私は「う~ん、直接はちょっと勇気ないなぁ・・・。」って思いましたね。私は「家づくりの仲介・サポートをしてくれるところがあるよ。」と知人には話してますけど。
なぜ、「直接はちょっと勇気がないなぁ。」と思われたのですか?
やっぱり不安ですよね。ネットで調べて会ってみても、その方と相性がいいかどうかわからないし、こちらが「ああしたい、こうしたい。」と言っても、そうはならないかもしれないし。設計費だってものすごく高いかもしれないしですね。だから、第三者の立場からアドバイスが欲しいし、「あの建築家なら大丈夫!」と言ってもらえると選んだ私たちも「良かった。」って安心できますよね。そういうちょっとしたあと押しでもずいぶん違います。
相談できる相手がいるのといないのとでは精神的負担も違いますよね。
話は変わりますが、こういった“建築家との家づくり”ってまだまだ一般的には知られていないのかなぁと感じるのですが。
そうですね。知人からも「建築家に頼んで高かったでしょ?」と聞かれますね。ファッションには気をつかうけど、家にはあまりこだわりや興味がなかったり、知り合いがいるから断れずに住宅メーカーで建てたり・・・。人それぞれではあるけど。
そうでしょうね。
住宅メーカーの方が安心感があるようですね。大手だし、皆が建てているから。でも、実際に住宅メーカーで建てた人と話してみると、お金の中身に関して意外と知らない人が多いですね。その中に広告費や経費が含まれているんですけどね。
住宅メーカーで建てた人と話しても「金額の詳細?知らない・・・。」って言う人は多いですよ。そもそもあまり気にしてないというか。明細見ても“広告費”なんて項目で上がってないでしょう?だからわからない。
そういうのは工事の項目に含まれていたりしますから。
庭の整備にウン百万掛かったって人もいましたね。実際に見せてもらうと、そこまで金額掛かっているようには見えないんですけど。その方曰く、「何にこれだけお金が掛かったかわからない。」って言ってましたね。(笑)
大手メーカーから見積りが出て来たら疑わないんでしょうね。
それだけで安心なんですかねぇ・・・。
「いろんな有名人がCMに出ているし、広告もいっぱい出しているから安心。」と思っちゃうんでしょうね。実際にはそこにもお金が掛かっているという事まで頭が回らないというか・・・。私も昔はそう思っていましたからね。以前、「住宅メーカーはそういうところにお金が掛かっているし、建築家に頼むと設計料が掛かる。でも、金額を比べると大して差が無い。」というのを人から聞いたことがあって、「本当に住宅メーカーでいいのかなぁ。」って考えるようになりましたね。
確かに設計料で何百万と聞くと「え~っ。」と感じますよね。でもそれは“自分の希望するオリジナルの家”に対しての設計料なので有意義だと思うんですよね。でも“広告料”というのは、その人の家にとっては関係ない、必要ないものですからね。
以前、ある住宅メーカーの工場見学会があったので勉強のために参加したことがあって、それも後から考えると「見学者をバスで送迎して、昼食振舞って、その見学施設も含めていったいどのくらいのお金が掛かっているんだろう?」って。その経費がお客さんの建築費に乗っかっているわけですからね。
確かにふつう家を建てる人というのは、そこまであまり考えませんよね。「テレビでCMやっている大手の住宅メーカーだったら安心。」と思いますよね。だから、「そのCM宣伝費がどのくらい掛かっているの?」なんてことは考えませんからね。
「建築家や設計事務所に頼んで家を建てる」って、やってみたいなぁと思っている人はもっといると思うんですけどね。ただ、「費用の内訳がわからない。お金が掛かるんじゃない?」と考えてしまうから一歩踏み出せないのかもしれないですね。
あと、建築家さんに頼むと「面倒くさい。」って考える人もいるかもしれないですね、どうしても設計期間が長くなるので。パパッと決めて建てたいと思う人には向かないでしょうね。