2012年5月に竣工したM様邸。設計を担当した松野尾氏(CAMELC一級建築士事務所)と施工会社とともに1年点検を実施しました。フォルツァを最初に訪れていただいたときは2人だったお子さんも3人になり、子供たちの成長とともにあった家づくりだったと思います。
さて、ご自宅の完成から1年がたち四季を過ごしてみての感想はいかがですか?
自分の家ということで愛着も湧いてきましたし、子供たちもドタバタと駆けまわれるような広い家なので大満足ですね。これから子供が成長するにつれて部屋の形も変わってくるのかなぁと思いながら1年がたったですね。
主人はあまり家にはいなかったですけど・・・。
(爆笑)
仕事が忙しかったから。(笑
奥様はだいたい家にいらっしゃるようですが、いかがですか?
やはり前に住んでいたマンションと比べると断然快適ですね。結露とかもほとんどなかったですね。
ここは“羊毛断熱”を採用されていたのですが、その効果ですか?
呼吸する断熱材と言われていて、調湿性に優れていますね。
松野尾さんは今回の設計で羊毛断熱や基礎断熱を使われているのですが、それはこだわってらっしゃるのですか?
ええ、これらはお勧めしていますね。予算検討のときも「羊毛断熱は残しましょう。それだけのメリットはありますよ。」という話はさせていただいてます。
床は梅雨時期でもサラサラですね。実家の母がここに来るといつも「いいわねぇ。」って。(笑
無垢の木の床なので、気持ちがいいですよね。
家づくり当初の話に戻ってお聞きしたいのですが、そもそもどういうきっかけ、もしくは思いから家づくりをはじめようと考えられたのですか?
子供も2人になり、マンションも手狭になって、そろそろ消費税も上がるし・・・となった時に、たまたま自分の職場の上司がフォルツァさんで家を建てられた方がいて、「住宅メーカーとかではなく、直接自分が家づくりに関われて、建築家と一緒に家づくりをしていくというやり方もあるよ。」と教えていただいたのがきっかけですね。
では、最初から建築家にお願いしようとフォルツァを尋ねたのですか?
最初は勉強がてら住宅展示場によく家族で行ってましたね。家を建てるのに「住宅メーカーを回ってるんですよ。」と上司に話したら、フォルツァを紹介してくれました。
お友達はここにいらっしゃいました?お宅を見て何て言われてました?
「やっぱり違うね。」って(笑。 近所の方は「建ててる時から何か違うって思ってたわ。」って。でも、みんな勉強されてるのか、「あー、ここは無垢の床ね。」とか良くわかってましたね。「うちは予算の都合あきらめたわ。」とか「床暖入れるからダメだったわ、いいわねー。」という話は聞きましたね。
建築家を選ばれるにあたって、コンペを開催したわけですが、感想はいかがでしたか?
楽しかったですね。建築家の方がそれぞれ違うプラン・模型が目の前で提案されるわけですよね。「この土地に対してそのようなアプローチで家を建てるんだ。」というのが、それぞれの建築家の方からお伺いできて楽しかったですね。
そのコンペに参加された複数の建築家の中から最終的に松野尾さんに決められたわけですが、どういったところが決め手となったのですか?
“女性の目線”で考えられていたというのが一つと、自分たちがイメージしていた住まいというものに松野尾さんのアイデアが一番近かったというところが選ばせてもらった理由ですね。
家づくりにおいて、こだわられたポイントというのは?
コンペをやる時点で、「平屋がいいね。」と話していて、“回遊性”や“一つ一つの部屋を大きく取る”といった希望がありましたね。自分でフリーソフトを使って間取りを考えたりして、それにかなり近かったのが松野尾さんの案でしたね。
では当初から平屋でと考えていた?
そうですね。“平屋”をベースにコンペでプランを出してもらったんですけど、別の建築家さんからは「この街並みから考えて2階建てでいきましょう。」という提案もありましたね。それはそれで魅力的だったのですが、松野尾さんのプランのように屋根を逆に勾配付けることによって、周囲の2階建家屋に埋もれないデザインを提案してもらったのが良かったですね。
松野尾さんはどういったポイントをこだわられたのですか?
アンケート資料や実際にお会いしてみて「お子さんを大事にされているなぁ。」と最初に感じましたね。お子さんのための家というイメージがあったですね。「子供さんのためにどういうのが一番いいかな?」と考えた時、“回遊性”というのが浮かびました。部屋と部屋をグルグル回ることで空間の連続性をもたせ、“遊びが途切れない”、“動作が途切れない”ようにする。そこが途切れてしまうとフラストレーションが溜まってしまうので、そうさせないことが大切だと発達心理学で言われてるんです。それと、部屋の中にいても視線の高さが一定でなかったり、見る角度によって同じものが違って見えるということが、子供たちの原体験に関わってくる。あと、奥さんがよくいらっしゃるキッチンから、子供たちがどこにいても目がいき届く。といったところをこだわりましたね。そう考えていくと「“コの字型“がいいなぁ。」という基本プランになりましたね。
“建築家との家づくり”を始めるときに不安というのは何かありましたか?世間一般は住宅メーカーで家を建てるのが当たり前と思われているのですが。
もちろん、私の周囲でも住宅メーカーで建てた人がほとんどだったし、建築家にお願いした人はほとんどいなかったけれども、フォルツァさんにお願いした先輩の話や、直接建築家に依頼して家を建てた知人の話からも「いろいろと相談に乗ってくれるからいいよ。」と聞いてましたね。住宅メーカーに頼むにしても、こちらの要望を言っていけば追加で金額が高くなるのは知ってましたし、要望も全てが叶うわけではないのも聞いてたから、私は建築家に依頼することに関して特に不安はなかったですね。
お知り合いが建築家とやられていたからですね。
家づくり自体については不安はなかったけれど、「いつ何をしなければならないのか?」とか、「お金やローンはどうすればいいのか?」などを誰に相談したらいいのだろうという不安はありましたね。
予算的にはどうだったのですか?設計の後、見積りを出してもらったのですが。
結構オーバーしていまいまして・・・。
だいぶんオーバーでしたね。(笑
そこから予算調整に入ったわけですが。
そうですね、ロフトの面積を削るなど、延べ床面積を小さくしたり、リビング上の大きな窓を無くしたり。
ただ、基本的にお勧めしていた“無垢の床材”や“羊毛断熱”などは残しましたね。
ある程度、予算の調整は覚悟されてました?
そうですね。たとえ、ハウスメーカーだったとしても、予算調整は出てくる話ですから。建築家さんにお願いしたからこそ、調整についても様々な代わりの提案をしてもらえたし、もしハウスメーカーだったら調整の幅が小さかったかもしれないですね。そこが建築家と家づくりをするメリットですね。
減額の方法の一つとして、塗装も皆さんでやってもらいましたね。奥様、ご主人、あとお友達にも来ていただいて、梁とか床とか実際に塗装していただきました。その分、材料費だけしか掛からなかったので、塗装工事代を押さえることができましたね。
下地処理のために梁と床全部にグラインダーを自分がかけたんですけど、週末しか私ができなかったので結構大変でした(笑。塗装は皆で二度塗りして4日間くらい掛かりましたね。
でも、それは予算削減のためだけではないでしょう?
そうですね、自分の家づくりに何か携わりたいというのはあったですね。
フォルツァのサポートに関してはいかがでしたか?
建築家さんとのコーディネートだけでなく、ローンや予算のこと、あと途中々々の相談にも乗っていただき有難かったですね。
友人でハウスメーカーにお願いした方がいて、そこは完成してみたら玄関ポーチが無かったそうで(一同驚き)。きっとどこかで行き違いがあったのでしょうけど・・・。あと他の友人はメーカーさんと設計で揉めてしまって、何とかメーカーに融通きかせてもらったそうなんですが、やっぱり後味が悪いですよねぇ。そんなときに相談する相手もいないから、フォルツァさんのようにサポートしていただけるところがあったら助かりますよね。
こうやって1年点検にも立ち会っていただけますしね。
松野尾さんにお聞きしたいのですが、一般の方が建築家と家を建てるというのはまだまだ少ないのでしょうか?
そうですね、まだまだ多くには知られてない気がしますね。私の知人にも「メーカーで建てたけど、ところどころ不満があって・・・でも我慢してる。」という方もいますね。